燃料電池の性能はリチウム電池の10倍
小型軽量化が重要なモバイル機器用電池は現在リチウムイオン電池が主流ですが、同じ大きさの燃料電池の寿命は理論上その10倍ほどと言われています。そこでモバイル機器用燃料電池はパソコンメーカー、家電メーカーなどにおいて熾烈な開発競争が繰り広げられています。
- 2002年3月にはカシオ計算機株式会社がノートパソコン用として従来機の4倍である20時間連続使用ができる試作品を公開
メタノールの利用が決め手
小型・軽量が求められているモバイル機器において、大きな水素タンクや重い水素吸蔵合金の利用はできません。そこで家庭用コージェネレーションや自動車用と違い、液体であるメタノールを燃料とする方式が主流になっています。メタノールで動くパソコンや携帯電話ができれば、もう充電する必要はありません。現在の乾電池のように、電池が切れたらコンビニやキオスクでメタノールのカートリッジを買って入れ替えるだけという時代が来るでしょう。
メタノール燃料の利用
- メタノールを直接燃料電池に供給するダイレクトメタノール(DMFC)
- メタノールから作り出した水素を燃料電池に供給するメタノール改質方式
ダイレクトメタノール型燃料電池(DMFC)の開発競争
メタノールを直接供給するDMFCでは、燃料極でメタノールが水と反応し二酸化炭素、水素イオン、電子ができます。水素イオンは電解質膜を通って空気極へ移動し、外部回路を流れた電子、空気中の酸素と反応して水となります。
メタノールを小型のカートリッジに入れるためには濃度の高いメタノールを使う必要がありますが、メタノール濃度を上げるとメタノールが水素イオンと一緒に電解質膜を透過してしまう「クロスオーバー」という現象が起こります。クロスオーバーが起こると反応しない無駄なメタノールができてしまうため効率が悪くなってしまいます。東芝ではこの問題を解決するために高い濃度のメタノールを、空気極で生成する水で薄めることにより最適な濃度のメタノールを燃料極に送るという手法を取り、2003年3月にドイツで開かれた展示会でその開発成果を発表しました。
DMFCでもパッシブと言われる手法で小型化に成功したのが日本電気株式会社
他社の燃料電池が燃料極と空気極を交互に積み重ねていくスタック型と呼ばれる構造なのに対し、日本電気株式会社は燃料極を内側に空気極を外側に配置する2セル構造とし、空気やメタノールを供給するブロワやポンプを使わない構造となっています。
メタノール改質型燃料電池の可能性
カシオ計算機株式会社が採用しているのがメタノール改質型です。独自のマイクロリアクターという構造で、メタノールから水素を取り出す改質器をミクロンオーダーでシリコンウェハー上に集積化し、水素ガスを98%以上の変換効率で生成し超小型化する事に世界で初めて成功
- 実用化までのスピード
- 実用化可能なコスト
- 実用化可能なサイズ、重さ

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